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中根秀夫展「理想郷」

2024/1/24

中根秀夫展「理想郷」Hideo Nakane Exhibition [#utopia]
2024年3月2日(土)〜3月10日(日)会期中無休
12:00 ~ 19:00(最終日も19時まで)

Gallery Nayuta
〒104-0061 東京都中央区銀座1-9-8  奥野ビル 511

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いよいよ最終週

2023/11/23

先週もまた遠くからお越しくださった皆さまに心から御礼申し上げます。 23日(祝・木)と24日(金)は「うつくしいくにのはなしⅢ 理想郷(ユートピア)」展はお休みです。お間違え無きよう。早いもので25日(土)からは最終週、10月7日から始まった個展もいよいよ 11月29日(水)までとなります。この週末は私も会場に居りますので、ぜひお立ち寄りください。

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天神岬から山田浜へ

2023/11/6

 オリンピックが開催されるはずだった2020年、TOKYOとFUKUSHIMAの非対称性について考えている。コロナ禍に際し、両者にはますます隔たりを感じる。震災と原発事故の当事者ではなく、しかし同時に福島から送られて来る電気を無自覚に消費し続けた当事者として、この小さな過疎の地を通して考え続けること。そして美術家として、その事実に自覚的であり続けること。「傷」や「痛み」について何度でも問い直すこと。
 全ては「日々」のことである。他者の悲しみに寄り添うことの「不可能性」について考える。ひとりひとりの場所と時間に、ひとつの像/イメージを与える。それは言葉であり、また記憶でもある。その場に開かれた小さなプロセスに小さな言葉が放たれ、その言葉はあなたの指先に微かに触れる。

「木々と日々」(2020年)より

2022-07-10 05:26/木戸川河口

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後期展示について

2023/11/1

後期展示「うつくしいくにのはなしⅢ 理想郷」

 早いもので本日11月1日、郡山での前期展示の4週間を終えようとしています。遠くから足をお運び頂きましたこと、また福島県内の美術関係者の方々や トトノエル gallery cafeに集う多くのお客様に、写真・映像作品をご覧頂けたことを心より御礼申し上げます。準備休業の後、11月4日(土)より始まる後期展示では、作品も一新しよりはっきりとFUKUSHIMAという場所性を掲げた写真を展示いたします。

2023-03-30 13:45/富岡町夜ノ森駅前

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うつくしいくにのはなし/理想郷(ユートピア)

TBC-23

本稿は2021年に刊行した『ちいさなくに/木戸駅と』の続編である。東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から12年。 今まだ変わることのないFUKUSHIMAとTOKYOの非対称性について、この浜通りの地を通じて考え続けている。2022年7月と11月、2023年3月と訪ねた木戸駅と、竜田駅、富岡駅、夜ノ森駅、大野駅、双葉駅で、また浪江町にある請戸小学校への道すがら書き留めた手記を収録し、冊子にまとめるにあたり加筆・修正をした。もうひとつ、「Lemon」というタイトルで開催した個展のために書いた梶井基次郎をめぐる試論を再録した。未だコロナ禍の2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まる。戦間期から関東大震災を経て、軍国主義へと傾斜するわが国への「不安」について、梶井基次郎の著作をもとに考察した。

うつくしいくにのはなし/理想郷(ユートピア)
a tale of a beautiful country / utopia

[著者] 中根秀夫
[編集・デザイン] 中根秀夫
[発行] 2023年10月1日
hideonakane.com
[商品仕様]  A5中綴じ片観音表紙 36ページ


特別価格 1100 円(税込み、送料別200円)


「ちいさなくに/木戸駅と」とのお得なセット販売もあります。詳しくはこちら▷

前期展示について

2023/9/20

前期展示「うつくしいくにのはなしⅢ 理想郷」

【承前】 さて今回の郡山での写真展は、前・後期とも4週ずつと長めの期間を頂いておりますので、展示作品を完全に入れ替えることにしました。以下、とりいそぎ前期展示(2023年10月7日~11月1日)について、皆様にお知らせしたいと思います。

2022-07-10 11:01/双葉町中浜

今回は自分にとっても特別な展示ですので、映像作品3点《もういちど秋を - try to remember》《try to remember 2020》《ちいさなくに - in a small realm》を含めて展示を構成しました。なお、映像は前期のみの出品となります。

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「木々と日々」展示風景-その2

2020/10/10

11. 木戸駅と 《2019.1206.15:37》/2019年
12. うつくしいくにのはなし / 2013年
13. 木戸駅と 《2013.0901.16:39》 14. 《2013.0901.16:42》15. 《2015.0628.11:35》16. 《2015.0628.11:40》17. 《2015.0628.11:42》18. 《2015.0628.11:54》19. 《2016.0802.07:00》20. 《2016.0802.07:30》21. 《2016.0802.07:44》22. 《2018.0223.08:37》23. 《2018.0223.08:49》24. 《2018.0223.09:47》

木戸駅は福島県双葉郡楢葉町にある常磐線の小さな駅だ。福島第一原発から20キロ圏内にあり、原発事故直後に町内全域に避難指示が出された。津波の後始末をする間もなく人々は避難を命じられ、立ち入りが厳しく制限されることになる。2013年9月、偶然にその場所に辿り着いたのだが、目の前に開けた悲しくも美しい風景に心を強く揺り動かされた。楢葉町は2015年に避難指示が解除され、震災以降不通となっていた広野~竜田駅間の列車の運行が再開された。この美しい土地を再び訪ねてみたいと思った。初めて木戸駅を降り、以来、撮影のためにこの場所を行き来する。 

オリンピックが開催されるはずだった2020年、TOKYOとFUKUSHIMAの非対称性について考えている。コロナ禍に際し、両者にはますます隔たりを感じる。震災と原発事故の当事者ではなく、しかし同時に福島から送られて来る電気を無自覚に消費し続けた当事者として、この小さな過疎の地を通して考え続けること。そして美術家として、その事実に自覚的であり続けること。「傷」や「痛み」について何度でも問い直すこと。


中根秀夫展「木々と日々」NAKANE hideo Solo Exhibition

2020.10.4(sun) – 2020.10.17(sat)
12:00-19:00(最終日 17:00 まで)
休廊日 : 月曜 10.5(mon) 12(mon)

galerie H(ガルリアッシュ)https://galerie-h.jp 
〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町7-13 東海日本橋ハイツ2F

「木々と日々」中根秀夫展

2020/9/29

木々と日|2018年

今回の個展「木々と日々」は、7〜8月に開催した「木戸駅と」展の続編でもある。

木戸駅は福島県双葉郡楢葉町にある常磐線の小さな駅だ。福島第一原発から20キロ圏内にあり、原発事故直後に町内全域に避難指示が出された。津波の後始末をする間もなく人々は避難を命じられ、立ち入りが厳しく制限されることになる。2013年9月、偶然にその場所に辿り着いたのだが、目の前に開けた悲しくも美しい風景に心を強く揺り動かされた。楢葉町は2015年に避難指示が解除され、震災以降不通となっていた広野~竜田駅間の列車の運行が再開された。この美しい土地を再び訪ねてみたいと思った。初めて木戸駅を降り、以来、撮影のためにこの場所を行き来する。 

オリンピックが開催されるはずだった2020年、TOKYOとFUKUSHIMAの非対称性について考えている。コロナ禍に際し、両者にはますます隔たりを感じる。震災と原発事故の当事者ではなく、しかし同時に福島から送られて来る電気を無自覚に消費し続けた当事者として、この小さな過疎の地を通して考え続けること。そして美術家として、その事実に自覚的であり続けること。「傷」や「痛み」について何度でも問い直すこと。

全ては「日々」のことである。他者(ひと)の悲しみに寄り添うことの「不可能性」について考える。ひとりひとりの場所と時間に、ひとつの像/イメージを与える。それは言葉であり、また記憶でもある。その場に開かれた小さなプロセスに小さな言葉が放たれ、その言葉はあなたの指先に微かに触れる。

2020年10月

中根秀夫


中根秀夫展「木々と日々」
NAKANE hideo Solo Exhibition

2020.10.4(sun) – 2020.10.17(sat)  
12:00-19:00(最終日 17:00 まで)
休廊日 : 月曜 10.5(mon) 12(mon)

galerie H(ガルリアッシュ)https://galerie-h.jp 
〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町7-13 東海日本橋ハイツ2F


冊子「木戸駅と Ⅰ」「木戸駅と Ⅱ」はgalerieHでお手にとってご覧になれます。今回の「木戸駅と Ⅰ」をお求めの方で、すでに「木戸駅と Ⅱ」をお買い求めいただいている方には、2冊を束ねる特製スリーブをご用意しています。前編・後編を共にお手元にお持ちいただければ幸いに存じます。


木戸駅と

2019/12/10

7月に1時間ほど(つまり次の電車の発車まで)周辺を歩いた。それで気になっていたのが駅前に建てられたホテルだ。2018年にオープンした「バリュー・ザ・ホテル楢葉木戸駅前」は、ビジネスホテルというよりは2階建の合宿所のようだ。ネットで調べると、「バリュー・ザ・ホテル」グループは宮城県に本社を置くホテル運営会社で、宮城県に4軒、福島ではここ木戸駅前と広野にホテルを持つ。1店舗目の仙台名取店の開業が2012年だから復興関連需要を見込んだ、おそらく過渡的な運営形態なのだろう。

これまでに5回、双葉郡楢葉町のこの地区を訪ねている。いつもはいわきのビジネスホテルに宿泊するのだが、ここならば1日に11便しかない電車の発車時刻を気にせず、ゆっくりと時間を過ごすことができる。料金は一泊2食付きで7900円。駅前には飲食店も無く、一番近いコンビニまで車で5分だから、「夕食付き」のオプションはとても助かる。日焼けした作業員風の一団と管理職風の人たちが食堂にいる。

ちなみに今日の夕飯メニューは、メインのハンバーグとバイキング形式で給される付け合わせ各種、ご飯、味噌汁、コーンスープ。まさにアットホームな合宿所。観光ホテルではないの「地の魚」とかそういうものではない。

ホテルを出て、国道6号線に向かって少し歩くと、新しいクリニックと接骨院の看板が出ている。昨年3月に来た時はまだ壊れた家屋が残り、日中の人影はほとんど無かったのだが、この場所で住民の新たな生活が始まったように見える。そういえば、気になっていた駅前の「地元風情」の理容院が再開していた。やや日に焼けたサインポールが勢いよく回転する。

看板が取り外された建物があった。敷地内こそ丁寧に草が刈られ整備されているが、おそらくもう使用されることはないだろう。望遠レンズで覗くと「楢葉南保育所」と見える。

要するに現在のこの地区の住民はみな高齢者なのだ。避難先で新しい生活を始めた子供を持つ若い夫婦が「ふるさと」に戻ってくるのはいつの日だろうか。楢葉町で原発事故に伴う避難指示が解除されたのが2015年9月のこと。ここに至るのは決して短い時間ではないのだ。

震災から8年目となる今年3月、福島県から自主避難した人への家賃補助が打ち切られたのが話題になったが、どこかで線引きをするにせよ、住民の方に寄り添ったきめ細やかな政策決定が必要なはずだ。ましてや避難指示の解除時期は地域によって差がある。心の持ちようというのがある。一律に期限を切ったとしてそれが真の復興に近づくのだろうか。

  • 河北新報(2019年5月13日)自主避難者「行き場ない」 都内の国家公務員宿舎退去期限 福島県支援打ち切り、家賃は2倍に

木戸駅から

2019/7/26

7月23日 ■仙台発↓ 14:36〜15:58(JR常磐線 原ノ町行)■原ノ町↓ 16:04〜16:23(JR常磐線 浪江行)■浪江↓ 16:28〜16:58↓(JR常磐線代行バス 富岡行)■富岡↓ 17:04〜17:15(JR常磐線 いわき行)■木戸着


仙台から常磐線各駅停車で南下する。現在の不通区間は帰宅困難地域である浪江⇆富岡間で代行バスが走り、2020年3月末までの再開を目指している。富岡から2駅。富岡→竜田→木戸。2013年夏に初めて木戸駅のある前原・山田浜地区に降り立ってから今回で4度目の訪問となる。
https://side-b.hideonakane.com/s…/category/naraha-fukushima/

 

細く降りしきる雨の中、17:15に木戸駅(福島県楢葉町)に到着。次の電車来るのが18:31。この場所はすでに自分にとって懐かしい風景となっている。

前回2016年の訪問時、土が積み上げられただけだった巨大堤防の工事もほぼ終わっているようだ。高さにして7メートルぐらいだったか。福島の全ての海岸線を覆うのだ。

堤防の上は真新しい県道が整備され、あとは実用に向けた植栽やガードレールなどの整備が行われるのだろう。一日の終わり。誰もいない堤防の上から福島の海を見下ろす。南側は広野の火力発電所の煙突が見える。雨のせいか、波が少し荒れて見える。

帰還できぬまま打ち捨てられた廃屋はおおかた取り壊され、代わりに単身者用アパートになった(工事関係者用だろうか)りするのだ。1件の家からは人の気配があり、窓から灯りが漏れテレビの音も聞こえていた。駅前は新たにビジネスホテルが建てられていた。


*おすすめの本を。
地図から消される街 3.11後の「言ってはいけない真実」
講談社現代新書(2018年)
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000190725