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いよいよ最終週

先週もまた遠くからお越しくださった皆さまに心から御礼申し上げます。 23日(祝・木)と24日(金)は「うつくしいくにのはなしⅢ 理想郷(ユートピア)」展はお休みです。お間違え無きよう。早いもので25日(土)からは最終週、10月7日から始まった個展もいよいよ 11月29日(水)までとなります。この週末は私も会場に居りますので、ぜひお立ち寄りください。

今回の展示で特筆すべきは、福島県内から何人もの学芸員の方々が会場に足を運んでくださったことでしょうか。なにしろ福島県は広いですので、新幹線で一駅の福島と言えど、郡山までは決して近くはないのです。ある方はいわきから、また会津からも、さらに喜多方からも、もちろん郡山市内からもお越し下さって、写真をご覧頂けたのは何よりも嬉しいことです。

前回の東京での個展で、とある方から「さて、これで一区切り。次は何をやるかだな」と言われました…。彼に悪気は無いにせよ、非常にアート的なというか、中央を向いた感じ方だなと思いましたね。震災から10年を経て、東京オリンピックを開催し、巨大堤防の工事が終わったからって、何ひとつ「終わって」はいないですよね。「FUKUSHIMA」と「TOKYO」の非対称は「我々」の内にあるのです。

都内で展示をすると、「FUKUSHIMAの写真なんです」と説明する。そう言わざるを得ない。でも本当は「FUKUSHIMAの写真」なんてものは無いわけです。そこは楢葉町の山田浜であったり木戸川の河口であったり、富岡町の夜ノ森駅前であったり桜並木であったりするわけです。たとえ背景が示されなくても、双葉町のカモメであり大熊町の合歓の花であったりするのです。福島の方と話をすると、当たり前のようにそのことが通じる。ひとつひとつの場所が、個人個人の震災の記憶や体験と結びついて存在する、そんな当たり前のことを改めてそこで知るわけです。アートなんてものは所詮偏ったものの見方ですし、そのことに自覚的であるか否かは大事です。さてあなたは?

作品にとって「場所」というのは大事です。今回の郡山の展示ではまた、東京の展示とはまた違った覚悟で作品を選んで行きました。その「場所」では、写真からまた違ったものが見えてくるはずです。今回タイトルとした2013年撮影の「うつくしいくにのはなし」の他、1点以外は全て初出品の写真で展示構成しています。残り一週間。皆さまのお越しを心からお待ち申し上げております。

うつくしいくにのはなしⅢ 理想郷(ユートピア) 中根 秀夫 /写真

後期|11月29日[水] まで。木・金曜休廊
12:00 ~ 18:00   

トトノエル gallery cafe 
963-8035 福島県郡山市希望ヶ丘 1-2 希望ヶ丘プロジェクト内
tel. 024-901-9752 駐車場3台あります


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