さて「うつくしいくにのはなしⅢ 理想郷|中根 秀夫/写真」は、11月4日より後期展示に入りました。前期期間には多くの方にお越しいただきましたこと、改めて御礼申し上げます。
映像上映のために閉じられた窓の遮光布を外すと、ギャラリーの大きな窓から外の景色が飛び込んできて、とても開放的に感じられます(日差しが強い日は作品保護のため紗の布を窓に掛けます)。メインの作品を入れ替え、展覧会のテーマを担う《うつくしいくにのはなし》(2013年)は奥の壁に移りました。


会場にいらしてくださるとわかりますが、ギャラリーカフェの、ゆっくりと流れる時間の中で写真に向き合っていただければと思います。良い季節なので入口のガラス戸も開放しています。

みなさまに再度思い出していただきたいのは、この場所はもともと復興住宅モデルの展示場として開設され、ギャラリーカフェとして、人とつながり合える場として再生された場であるということです。
東京でこのシリーズ(「木戸駅と」「Stay out, stay home」)の写真を展示すると、「福島の」写真といわれるわけですが、今回、福島各地から訪ねて来てくださった方々とお話しすると、それが楢葉の話なのか富岡のことなのか、あるいは木戸駅なのか竜田駅か夜ノ森駅か、具体的な場所として、記憶として、体験として伝わるのです。東京の人間が考えるような、いわゆる「福島の」記憶というものは本来は存在せず、それは各々の人の時間の中で展開される記憶であって、個人個人に還元される体験の集合体であるということがわかってきます。それが「うつくしいくにのはなし」なのです。
みなさまもどうぞこの場所にいらしてください。
うつくしいくにのはなしⅢ 理想郷
中根 秀夫 /写真
後期|2023年11月4日[土]〜11月29日[水]
12:00 ~ 18:00 木・金曜は休廊します
トトノエル gallery cafe
〒 963-8035 福島県郡山市希望ヶ丘 1-2 希望ヶ丘プロジェクト内
tel. 024-901-9752 駐車場3台あります