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「ちいさなくに /木戸駅と」について

新しい冊子「ちいさなくに /木戸駅と」について少し。こちらも12月から販売を始めていますが、諸事情で告知が遅くなりました。

「ちいさなくに /木戸駅と」
ちいさなくに /木戸駅と

内容は2013年9月から今年2月までの福島の訪問記(ブログ)で、今夏のギャラリーナユタでの個展「Stay out, stay home」の時にSNSで発信していたものではあります。タイムラインは日々流れていってしまいますし、そもそもSNSはまとまった分量のテキストを読むのに適したメディアではないように感じます。読んで欲しい人にも届かない。そんな思いが募り小さな冊子にまとめてみようと思い立ちました。

紙の本はそこそこ読むのですが、自分のテキストを「縦組み」に起こすのは新鮮な作業ではありました。息継ぎのリズムが変わるからでしょうか。句読点の位置や改行などは少し変わりました。ブログやSNSでの分かりやすさは、本来の(?)文章としては「冗長」ですよね。ひと連なりのテキストとしては程々の長さ、24ページに収まりました。

2011年の震災後、一時的に制作が全く進まなくなってしまったこともあり(鮮やかな初動で震災をテーマに作品を発表したアーチストもいるわけで、それはそれなりに敬意は持ちますが)、結局自分が木戸駅(双葉郡楢葉町)周辺で撮影した写真群をまとまった形で発表したのはつい去年、2020年のこと。それは「アンダーコントロール」の東京オリンピックへの違和感からでもあります。自分がいつも思い悩み、考えることは、「他者(ひと)の悲しみに寄り添うことの不可能性について」です。

お手にとってもらえるとよいのですが…「手触り」の良い冊子になりました。


<hideonakane side-Bより>
https://side-b.hideonakane.com/side-b/isr-21/

本稿は、2013年9月に初めてこの場所に、福島県双葉郡楢葉町の木戸駅から海に向かうこの土地に、降り立ってから後2021年2月までの7回の訪問の手記(ブログ)を収録したものである。テキストは旅の記録であり、また福島と東京電力管内に住む自分との距離についての考察でもある。今回、冊子としてまとめるにあたり、加筆・修正は行っている。東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故から10年の月日を経てもいまだ解決を示すことのできない、私たちの「くに」について、そして私たちの「日々」について考えている。

ちいさなくに/木戸駅と 
in a small realm / #Kisostation

[著者]  中根秀夫
編集・デザイン]  中根秀夫
[発行] 2021年12月1日 hideonakane.com
[商品仕様]  A5中綴じ片観音表紙 24ページ
特別価格 990 円(税込み、送料別200円)


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