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「もういちど秋を」より

『もういちど秋を』は、武田多恵子の3つの詩集「麦の耳」(1986年)「流布」(1993年)「蜜月」(2013年)から20編の詩を抜粋し、1年の季節を巡るように5つのユニットに仕分け、「もういちど秋を」という序章を加えて再構成された映像詩である。武田の詩に、サックス奏者かみむら泰一が音楽、中根秀夫が映像を担当し1年間をかけて制作された。

目をつむればいつも
澄んだ空を渡ってくる風と
同じやさしさに包まれて
私たちは佇んでいる
永遠にあの日の秋の中に
 
『もういちど秋を』 武田多恵子

もういちど秋を (プロローグ)

ひとつの詩はひとつの時間を孕みながら、他のもうひとつの詩とその時間に接続する。詩の中の時間はそれぞれの記憶を持ち、その記憶はひとつの詩という枠を超え、過去とも未来とも自由に接続することが出来る。ひとりの作者の記憶はもうひとりの者の記憶へと接続され、その記憶はさらにまたひとりの別の記憶とつなぎ合わされる。そのようにして、記憶は少しづつそのポジションを変えながら私たちの空間を拡張し、またそれを満たしていく。

from unit1 「木の名は問わない 傷つけることと 愛撫することが その手の中でひとつだ」

from unit2 「いつも、花冷えの 相応しい宴である」

from unit3 「会期を終えたばかりの美術館は 九月の海に似ている」

from unit4 「踊らない日付 コップの中の吹雪」

from unit5 「「糸くずに紛れて 紅に沈むひと日があるなら 夢は夢の場所へ帰るだろう 悲しみは悲しみの場所へ帰るだろう」

うつくしいくにのはなしⅢ 理想郷(ユートピア)
中根 秀夫 /写真·映像

  • 前期|2023年10月7日[土]〜11月1日[水] /写真・映像
  • 後期|2023年11月4日[土]〜11月29日[水] /写真

12:00 ~ 18:00  木・金曜は休廊します 

トトノエル gallery cafe 
〒 963-8035 福島県郡山市希望ヶ丘 1-2 希望ヶ丘プロジェクト内
tel. 024-901-9752 駐車場3台あります


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