
DMが届きました。今回は写真集に合わせて二つ折り仕様です。封筒とセットでお洒落さん
3月にギャラリーナユタとアトリエ・アルボ・インヴェルサの2会場で新写真集刊行記念展を開催します。アルボ・インヴェルサのみ予約制です。詳細は以下をご覧ください。
in ten years ―うつくしいくにのはなし/理想郷
中根秀夫 新写真集刊行記念展 2025
exhibitions
① in ten years ―理想郷 @Gallery Nayuta
2025年3月10日(月)〜23日(日)
12:00〜19:00 12(水) 19(水)休廊
ギャラリーナユタ
〒104-0061 東京都中央区銀座 1-9-8 奥野ビル 511
tel. 03-3567-4330 https://gallerynayuta.com
② in ten years ―うつくしいくにのはなし
@atelier arbor inversa ギャラリーオープン企画
2025年3月11日(火)〜23日(日)
14:00〜20:00 17(月) 18(火) 休廊
*20日(木・祝)はイベントのみの営業
アトリエ・アルボ・インヴェルサ 吉祥寺
予約制(予約完了後に住所をお知らせします)
https://forms.gle/FD9v2jxUu6aKZ7fb9
event
中根秀夫 スペシャル・トーク
2025年3月20日(木・祝) 15:00より
*当日はイベントのみの受付 開場13:00
アトリエ・アルボ・インヴェルサ
会費:1000円 予約制
https://forms.gle/6NForewg76uvuS4r8
photo book
in ten years ―うつくしいくにのはなし/理想郷
2025年2月28日発行
著者(撮影):中根 秀夫
テキスト:堀 宜雄(福島県立美術館学芸員)
デザイン:岡本 洋平(岡本デザイン室)
発行:hideonakane-sideB
ISBN978-4-600-01558-9 C0072
A4横変形 上製本216ページ
定価:5,500円(税込)
会期中ギャラリーでの販売の他、
hideonakane-sideBのサイトから通販可
以上全てのお問い合わせは info@hideonakane.com
in ten years
初めて福島県の浜通りを訪れたのは2013年9月のことだ。偶然下りた土地の先に開けた「風景」、奇妙な静けさを湛えたその場所に魅了された。海辺の集落は福島県双葉郡楢葉町の前原・山田浜地区、その入口にあたる常磐線の小さな駅が「木戸駅」と呼ばれると後に知った。
出会った風景が忘れがたく、常磐線の一部復旧に合わせて2015年に再訪した。以来、幾度となくこの地を訪れ変わりゆく土地に思いを寄せてきた。2020年、発表するつもりもなく撮り溜めていただけの写真を、常磐線木戸駅をめぐる土地の記憶を主題に構成し、福島/FUKUSHIMAをテーマにした写真を都内の二つのギャラリーで発表した。
福島にゆかりのない自分が、先の個展を経て気づいたのは、東京/TOKYOと福島/FUKUSHIMAの歴史的な「非対称性」についてである。FUKUSHIMAの「復興」が謳われたTOKYOオリンピックの開催に伴い、その「復興」の言葉に押し出されるように常磐線全線が開通し、「将来にわたって居住を制限する」とされてきた帰還困難区域内に、政策主導で居住を可能にする「特定復興再生拠点区域」を設け、夜ノ森駅(富岡町)大野駅(大熊町)双葉駅(双葉町)の周辺地域がその対象とされた。2023年には新たなテーマをもとに初めて福島県(郡山市)で個展を開催することとなり、翌春に展示の一部を東京に巡回した。
今回の写真集には2021年から2024年夏にかけて撮影された写真170点を掲載する。ここ10年で復興を終えたとされる木戸駅周辺と、いまだ行く末が見出せないこれらFUKUSHIMAの土地を行き来し、「震災から10年」という言葉では括れない「浜通りの現在/現実」を問う内容となる。震災と原発事故の当事者ではなく、しかし同時に福島から送られて来る電気を無自覚に消費し続けた方の当事者として、この土地を通して考え続けること、美術家としてその事実に自覚的であり続けること、「傷」や「痛み」について何度でも問い直すこと、他者の悲しみに寄り添うことの「不可能性」について考えること。そこに新たな「風景論」の地平が開かれるであろう。
2025年3月
■中根秀夫 略歴(2025年版)
千葉県出身。神奈川県在住。
1992年 東京芸術大学美術学部絵画科日本画学科卒業。
1993年 ブリティッシュ・カウンシルの奨学金を取得。渡英。
1995年 The Slade School of Fine Art 大学院絵画科修了。ロンドン他イギリス国内で展覧会に参加する。
1996年帰国後「VOCA展1997」(上野の森美術館)他、The London Groupのメンバーとしてイギリスでグループ展に参加。2004年からはGalerie SOLで継続的に個展を開催する。
2014年以降、展覧会企画ユニット「Aesthetic Life」(中根秀夫/平田星司)の活動や、音楽家や詩人と映像作品でコラボレーションなどを行う。映像《もういちど秋を》(武田多恵子/かみむら泰一/2016)、「海のプロセス―言葉をめぐる地アトラス図」(都美セレクション グループ展/2017)、映像《ちいさなくに – in a small realm》(渡邊ゆりひと/2021-2022)など。
以降、写真と映像を中心に個展/プロジェクトを行う。「うつくしいくにのはなしⅡ」(Galerie SOL/2019)、「もうひとつのもういちど秋を」(Gallery Nayuta/2019)、「木戸駅と」(Gallery Nayuta/2020)、「木々と日々」(Galerie H/2020)、「Stay out、stay home」(Gallery Nayuta/2021)、「Lemon」(Galerie SOL/2022)、「うつくしいくにのはなしⅢ 理想郷(ユートピア)」(トトノエルgallery cafe/2023)、「理想郷」(Gallery Nayuta/2024)、「in ten years ―うつくしいくにのはなし」(atelier arbor inversa/2025)、「in ten years ―理想郷」(Gallery Nayuta/2025)など。