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チューリップの 1(雑感)

冷たい雨が降る日。チューリップの芽。

改訂)1 Feb. 2016

2月になった。寒い…。

寒いといえば…。

閣僚の辞任。それ自体珍しくもないことだが、事もあろうに収賄の辞任会見で「美学」などという言葉を使う。Aesthetic…。自分自身には問題はなく監督責任で辞任するという。やれやれ、それが政治家としての美学だと。

高浜原発が再稼動した。しかも高浜はプルサーマルだ。福島の事故の責任は誰か取ったのか。こうやって既成事実を積み重ねてゆく。何事もなかったように。だが今度事故があれば日本は終わりだろう。国際的な信用も完全に失う。美しい国。

日銀が「マイナス金利」を導入する。なるほど異次元だ。効果については賛否が分かれるが、要するに株価さえ動けば良いのだ。そう、選挙までに。後は全権委任。何しろ今の民主党の体たらくぶりでは、自・公で票を固めて2/3の議席を取るだろう。憲法も改正される。

「都道府県教育委員会の生徒指導担当者らを対象にした会議を文科省で開きQ&Aを配布した」という。その中で文科省は、学校に対して高校生の校外での政治活動への「届け出制」を認める見解を示した。明らかにT-nsSOWLなど特定の高校生の集まりに「縛り」をかけ、萎縮させる目的があろう。民主主義とは?憲法とは?

ところで文科副大臣は「組体操」にウルウルするらしい。私などは組体操では一番下の段以外になったためしがないし、痛いだけで少しも意義など見出せない。事故があれば責任の主体は誰なのか。これは道徳教育とも結びついていて、全くもっていただけない。そういえばこの副大臣も元経済再生担当大臣も神奈川が選挙区であった…。

それから、防衛省は民間の船員を予備自衛官として有事の際に活用するという。これには正直言って耳を疑った。先の戦争では民間の船や船員の多くが軍に徴用され6万人以上の船員が亡くなっているのだ。もう今は戦前だとしか思えない。戦争法の運用の準備は着々と進んでいる、あるいは粛々と進められている。

これらが1月最後の週の出来事。…何か良いことは無いのだろうか。

神奈川新聞が川崎でのヘイトデモへのカウンターを呼びかけ、市民1000人が抗議に集まったという。これは素晴らしい。報道とはかくあるべきなのだ。「偏れ!」神奈川新聞。

そうそう。1月31日をもって神奈川県立近代美術館の鎌倉館が閉館した。これ自体は悲しいことだろう。でも考えてみてほしい。ものごとは始めることよりも、きちんと丁寧に終わらせることの方がずっと大事で難しいのだ。

日本で最初の近代美術館は1951年に鎌倉でオープンした。初代副館長でその後館長になった美術史家土方定一氏は、戦中の翼賛体制に対して繰り返し批判をした。私たちは美術をそして美術館を通してその戦後の思想を受け継いできたし、この1ヶ月ほどは鎌倉館の建物だけでなくこの美術館の業績自体に名残を惜しんで多くの人が訪れた。ひとつの時代は終わったけれどそこには希望が見える。

2月へ。

tulip


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