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森を 2

森を歩く。(Video 1:58s)

森。そもそも森とは何なのか…。海の近くで育ったこともあり、潮の匂いとか湿度を持った空気とか、記憶の中に海のイメージを呼び起こすことならできる(とは言っても特に海が好きなわけでもないけれど)。松林ならあるのだが。

 

 

私が住むこの地は多摩丘陵の一部にあり、旧武蔵国、現在位で言えば八王子市から日野市、多摩市、稲城市、町田市、神奈川県川崎市、横浜市を含み、面積は約300km²にわたる丘陵地域だという。

初めは小田急線の読売ランド前駅から少し入った遊歩道を歩き始めた。確かに森のイメージこそ留めてはいるが、何しろ宅地の開発で取り残された土地という印象で、野鳥の声のすぐ後ろには踏切の警報音や周囲を走るゴミ回収車からの音楽が聞こえもする。例えば生田緑地にはもう少し広範囲に森が残っているのだが、奥まで分け入ったなと思えば今度は上空を飛行機が通過する音が聞こえる。森の一部は自然観察公園として整備され、遠足の小学生たちの歓声も響く。

神社の周囲を杜(もり)と呼ぶが、おそらくその周辺の森林が自然として残されていることもある。菅原道眞を祀る緑深い穴澤天神社(上の映像は神社の奥の小沢城址跡で撮った)。京王線がすぐ脇を走っている。そう、「よみうりランド」という郊外の遊園地もこの丘陵地帯の森の一部なのだ。京王よみうりランド駅からゴンドラに乗って山並みと住宅地を交互に見下ろしながらこの遊園地の入口に降り立つことができる。これらのわずかに残る小さな森と1970年代以降の「郊外」の大規模開発、多摩ニュータウンと京王線や小田急線など都心と結ぶ鉄道網、そして人間の夢や欲望とが密接に結びついていることに改めて気付かされる。

 


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