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Lemon – 中根秀夫 展 サイト更新
年度初めのご多忙の中、「Lemon – 中根秀夫 展」へ多くの皆様にお運びいただきましたこと、お心をお寄せくださいましたことに、心より御礼申し上げます。期間は短めでしたが、久しぶりに会場の空間を生かした展示をすることができました。
(さらに…)Lemon展 展示風景
以下のサイトより先日終了した個展の展示風景はこちらからご覧になれます。なお作品購入についてはGALERIE SOLまでお問い合わせください。現在HPは調整中ですしばらくお待ちください。
Lemon展終了しました
4月16日、「Lemon −中根秀夫展」は無事終了いたしました。1週間という短い期間でしたが、望外に多くの方にご来廊頂きましたこと、心から御礼申し上げます。レモンレモンと騒いだせいで、再び梶井基次郎の「檸檬」を手に取ってくださった方がいらしたようで、そのこともとても嬉しく思いました。京都の丸善にの書棚の前に画集を積みかせねて、その上にレモンをひとつ置いてみる。その色彩の鮮やかさ。そしてそこに仕掛けられた「レモン爆弾」。でも、梶井の「不吉な塊」はその先も解放されはしなかった。その死を迎えるまでは。
そういえば、16日晩のお月さまは綺麗でしたね。同じく梶井基次郎の「Kの昇天」という小説のなかで、ジュール・ラフォルグの「月光」の1行が引用されていました。
(さらに…)哀れなる哉、イカルスが幾人も來てはおつこちる。
Lemon – 中根秀夫展
やっとそれはでき上がった。そして軽く跳りあがる心を制しながら、その城壁の頂きに恐る恐る檸檬を据えつけた。そしてそれは上出来だった。
−梶井基次郎
レモンの花を被写体とした新作写真と絵画、映像を組み合わせたインスタレーション。「私たち」の日々の不安を綴る。
(さらに…)展示のための試論
新しいページに移行しました。こちらへどうぞ。
やっとそれはでき上がった。そして軽く跳りあがる心を制しながら、その城壁の頂きに恐る恐る檸檬を据えつけた。そしてそれは上出来だった。
−梶井基次郎
梶井基次郎(1901年〜1932年)の「檸檬」[1]は梶井の代表作であり、多くの人から愛される珠玉の逸品である。自らを抑圧する得体の知れない「不吉な塊」が、果物屋で手にした檸檬ひとつによって解放されるという短編だ。1925年(大正14年)、自ら手がける同人誌『青空』の創刊号巻頭に「檸檬」は掲載される。丸善の書棚から取り出した色とりどりの洋画集を積み重ね、その「頂き」に鮮やかなレモンイエロウの爆弾を仕掛けるという、やや子供じみた夢想に遊ぶ梶井の心象世界は、「不吉な魂」が充満する梶井自身の、そして移りゆく時代の日常に、はっとするような色彩を炸裂させる。