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再掲『もういちど秋を- try to remember』全編公開

目をつむればいつも
澄んだ空を渡ってくる風と
同じやさしさに包まれて
私たちは佇んでいる
永遠にあの日の秋の中に

『もういちど秋を』 武田妙子

『もういちど秋を』は、武田多恵子の3つの詩集「麦の耳」(1986年)「流布」(1993年)「蜜月」(2013年)から20編の詩を抜粋し、1年の季節を巡るように5つのユニットに仕分け、「もういちど秋を」という序章を加えて再構成された映像詩である。武田の詩に、サックス奏者かみむら泰一が音楽、中根秀夫が映像を担当し1年間をかけて制作された。上映時間は40分にのぼる。

ひとつの詩はひとつの時間を孕みながら、他のもうひとつの詩とその時間に接続する。詩の中の時間はそれぞれの記憶を持ち、その記憶はひとつの詩の枠を超え、過去とも未来とも自由に接続することが可能である。ひとりの記憶はもうひとりの記憶へと手渡され、その記憶はさらにまたひとりの別の記憶と接合される。

そのように記憶は少しづつそのポジションを変えながら私たちの空間を拡張し、またそれを満たしていく。


この映像は、「もういちど秋を- try to remember」GALERIE SOL(2016年 東京)で有声、「海のプロセス–言葉をめぐる地図(アトラス)」東京都美術館(2017年) では無声で上映・展示された。
このサイトは記録集「海のプロセス–言葉をめぐる地図(アトラス)」の刊行に合わせ、期間限定で全編を公開するものである。以下のリンク先から解説付きの各ユニットごとのページへ行くことができる。


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